CUSTOMER VOICE
05
株式会社三共静岡製作所 様
導入製品:スムース振動切削(Smooth Oscillation Cutting)

720時間/月の機械稼働に挑戦

振動切削機能で、チョコ停発生を撲滅
誰でも簡単に使えるマザトロールの振動切削機能

CUSTOMER VOICE
05
株式会社三共静岡製作所 様
導入製品:スムース振動切削(Smooth Oscillation Cutting)

720時間/月の機械稼働に挑戦

振動切削機能で、チョコ停発生を撲滅
誰でも簡単に使えるマザトロールの振動切削機能

株式会社三共静岡製作所様にインタビュー

株式会社三共静岡製作所様(静岡県菊川市、小川廣海社長)は、東京ドームおよそ4個分の敷地面積を誇る世界最大規模のカム専用工場です。
ローラーギヤカム、工作機械向けテーブルユニットなどのカム機構を利用した各種位置決め装置の製造を手がけており、ここで生み出される製品は、
工作機械はもちろん自動車用溶接機や半導体搬送装置など、さまざまな産業用機械の動きを支えています。

株式会社三共静岡製作所 様
導入製品:スムース振動切削(Smooth Oscillation Cutting)
会社概要

代表取締役社長:小川 廣海
創業:昭和13年

事業内容
・ローラギヤカム(三共製作所の製品生産)
・工作機械向けテーブルユニットのコア部品生産

生産性向上への挑戦 、稼働分析で判明した新たな課題。

自動化システム導入、振動切削導入ストーリー。

三共静岡製作所様は、生産性向上のために自動化システムを導入されました。
この自動化システム導入により、10%ほど生産性向上を達成されましたが更なる生産性の向上をご希望でした。

稼働監視・分析ソフトウェア「Smooth Monitor AX」で分析したところ、切粉除去作業のための機械のチョコ停が頻発しており、
稼働率向上への課題が浮き彫りになりました。
工具形状やインサートのコーティングの変更、高圧クーラントによる処理などさまざまな対策を講じましたが、切粉を分断する有効策が見つかりませんでした。
そんな中、CNC装置マザトロールの振動切削機能を導入することで状況は一変します。

・製造現場の生産性向上の取り組み紹介・問題提起者:静岡製造本部 八木 本部長
・問題解決への取り組み・ボトルネックのご説明:部品製造事業部 東 部長
・オペレータ・現場目線からの評価・コメント:加工改善課 小林 マネージャ・落合 様

上記の方より、自動化導入の背景や振動切削導入の効果を伺います。

自動化システムを導入した決め手を教えていただけますか?

八木 本部長:はい、弊社の生産性向上に一番合致したのがマザックの自動化システム「パレテックシステム」です。
多品種少量生産を行う上で、生産計画を柔軟に変化させながらも機械の稼働効率を下げないことが要求され、かつ、複数の機械を連結可能とし簡単にスケジュール運転を行える自動化システムが必要でした。

「パレテックシステム」には、生産予定品の情報を入力することで最適な生産スケジュールを自動で作成可能な自動スケジューリング機能や、
加工に必要な工具のリソースのチェック機能など自動化システムの運用を柔軟に行うための機能が備わっており、多品種少量生産を行う我々の生産体制に非常にマッチしていました。

システム導入後に見えた新たな課題。

自動化システム導入効果はいかがでしょうか?

八木 本部長:自動化システムを導入し、工場全体の生産性は10%ほど向上しました。

弊社は、さまざまな取り組みを進めながらも工場全体で40%の生産性向上を目標としております。
しかし目標実現には届かず、自動化システムと同時に導入した「Smooth Monitor AX」で機械稼働率の分析を行いました。
アラーム停止や機械待機など、稼働状況をさまざまな面より分析した結果、加工中・加工後問わず、非常に多くのチョコ停が発生していることが確認されました。

このチョコ停の詳細を確認したところ、ワークの切粉巻き付きを解消するためにオペレータが機械を止めて手動で除去作業を行っておりました。
この作業のために機械の稼働率が向上せず、オペレータにも大変な手間をかけていることが判明しました。


切粉巻き付きに起因する問題点。

切粉によってどのような問題が発生するのでしょうか?

東 部長:切粉の問題はシンプルに聞こえますが、多くの問題の原因となります。
旋削加工ででた切粉は非常に長く繋がり、加工しているワークに、傷をつけるだけでなく、加工している工具やパレットにも絡みつきます。
その結果、工具交換やパレット交換の際に工具損傷や機械故障に繋がる原因にもなります。

工具や追加設備によって、切粉の分断ができないかさまざまな取り組みを行ってきました。
インサートの形状や材質、表面処理(コーティング)の変更をはじめ、切削条件や加工方法の変更にも取り組みました。
設備面では、高圧クーラントユニットなどの機外装置を用いた(切粉分断の)テストも行いましたが有効な結果を得ることはできませんでした。

そんな中、マザックから切粉の分断に期待できる振動切削機能の紹介をいただきました。

振動切削機能により確実に切粉を分断。

振動切削機能の効果はいかがでしたか?

小林 マネージャ:刃先が振動し、空振りすることで切粉が確実に分断されるため、今まで人の手で切断していた切粉除去の作業が無くなりました。 とにかく、”清掃作業をしなくていい”というのが良いですね。 清掃作業を行っていた時は、都度、作業を止めて清掃を行っていました。 体力的にも作業効率的にも大変煩わしかったのですが、オペレータが清掃のタイミングを 意識しなくてよくなったのでとても楽になりました。 機械のチョコ停が無くなっただけではなく、今まで清掃作業に費やしていた時間が そのまま次工程の段取りや、工具管理など、他の作業に活用できるようになりました。 それだけでなく、チップバケットの切粉堆積も以前の半分ほどとなりバケット清掃の手間も減りました。 切粉のつながりが無くなっただけで、作業者工数の効率化に複合的な効果をもたらしました。

プログラム作成は知識が無くても誰でも簡単に使用。

オペレータ視線での使い勝手を教えてください。

落合 様:マザトロールプログラム上で、振動切削を行いたい加工を選択するだけで機能がONされるので、とても簡単に使用することができます。
また、振動条件は切削条件から自動で設定されるため、機能を使うための手間はほとんどありません。

多品種少量生産のため、都度、プログラム作成も頻発するのですが、マザトロール上での振動切削機能の指令と自動条件設定機能のおかげで運用も大変スムースです。
特別な知識や経験も不要で、どのオペレータでも簡単に機能を使用できるため大変満足しています。

720時間/月で生産設備稼働を目指す。

最後に御社の今後の目標と挑戦をお聞かせください。

八木 本部長:日本の製造業において労働生産人口の減少が問題となっており、その状況下で"いかに国内での生産の火を消さないか"を重要な課題と捉えています。
弊社としても世界的な製品需要の増大に応えるために、生産能力向上とオペレータの負担を軽減することに取り組んでいます。
そのため、マザックの最新機械と自動化システムを導入し、段取り作業の集中や機械設備のスケジュール運転による効率的な生産を推進しています。

繰り返しになりますが、弊社としては工場全体で40%の生産性向上を目標にしており、マザック機の導入で10%の生産性向上を実現しました。
さらに、今回の稼働状況の分析、振動切削機能の導入を経て、現状では25%生産性向上を実現しました。
今後も、多品種少量生産に適した生産計画の見直しや「Smooth Monitor AX」による稼働分析を継続して行うことで、720時間/月の生産設備稼働を目指します。